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フデゴケ

シッポゴケ科|学名:Dicranodontium denudatum (Brid.) Britt.
フデゴケ
フデゴケ

フデゴケは、筆のような見た目で濃い緑色が美しい苔。
とはいえフデゴケを育てるのは初めてで、どこから始めればよいか分かないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、「フデゴケを育ててみたい」という初心者の方に向けて、育て方や注意点などを解説します。

フデゴケの基本情報

フデゴケの基本情報

まずフデゴケを詳しく知らない方に向けて、特徴を解説します。

生息地

フデゴケは、主に山間部の岩場や腐葉土の上に群生し、日当たりの良い乾いた岩場や地面を好んで生息しています。

分布

日本では、本州から九州にかけて多く見られます。
有名な観光地として、高知県の「牧野植物園」や石川県小松市の「苔の里」などがありますが、岩場を好むので近くの神社寺院の「石灯籠の上」でも見つけられるでしょう。

見た目

筆のような見た目をしていることから、和名で「筆苔」とも呼ばれています。
とはいっても葉先は新品の筆ではなく、使い込まれたパサパサの筆といったほうがいいかもしれませんね。

筆のような葉先

フデゴケに似ている苔として、「ヤマトフデゴケ」があります。
「ヤマトフデゴケ」の葉先はツンツンしていて、葉の幅も「フデゴケ」に比べて狭いのが特徴です。
また「フデゴケ」の葉先は透明であるのに対して、「ヤマトフデゴケ」は緑色をしています。
違いは、「葉先が透明かどうか」と「葉先の幅」で見分けるといいですよ。
ハイゴケは他の苔とは違って濃い緑色をしており、葉の長さは5〜6mmまで成長します。
実際に「ハイゴケ」と「フデゴケ」の色の違いを比較してみました。フデゴケは濃い緑色をしていますよね。

色の違い

フデゴケが好む日当たり

フデゴケは、一日のうち3〜4時間ほど日光が当たる明るい日陰を好むため、自宅で育てる場合は以下のような場所が適しています。

  • 東向きか西向きの窓辺
  • ベランダやテラスの隅
  • 木漏れ日が差し込む場所
  • 明るい室内

フデゴケは、日当たりの良い場所を好み、乾燥した環境で育ちます。
日光をうまく管理することが、育てる際のポイントとなってくるようですね。

価格帯

フデゴケは、小型パックで800円〜、大型マットで3,000円〜5,000円程度で販売されています。
ハッピーモスで販売しているフデゴケは、300×450mmで3,080円(税280円)です。
購入方法は、園芸店で直接購入する方法と、通販で購入する方法の2種類があります。
通販であれば自宅にいながら、新鮮で状態の良いものが自宅に届くのでおすすめです。

通販で購入できる場所は、主に3つあります。

公式通販サイト: ハッピーモスなど苔専門店が運営するサイト
大型ECサイト: Amazonや楽天市場など
ホームセンターのオンラインショップ: DCMホーマック、コメリ、カインズなど

色の違い

通販で購入する場合は、用途に応じて自分にあった方法を選びましょう。

フデゴケの楽しみ方

フデゴケの楽しみ方

フデゴケは、どのような場所で鑑賞するのが適しているのでしょうか。
ここからは、フデゴケの楽しみ方について紹介していきます。

盆栽として活用する

フデゴケは、盆栽にもよく使われている苔です。
石の上で育てるほかに、苗木と一緒に植え付けても育ちます。
自分の好きな陶器鉢を選び、こんもりとフデゴケを植え付けるだけですので、気になる方はぜひ育ててみてください。
また、フデゴケは上に伸びる性質があることから、苔玉には向いていません。テグスや糸で巻きつける作業で難航するかもしれませんね。

苔テラリウムで育てる

フデゴケは、苔テラリウムとしても人気がある苔です。
単体で育てるほかに、日なたを好む苔と一緒に植え付ける方法もあります。

  • スナゴケ
  • ハイゴケ
  • スギゴケ

もともと日なたに生えているタイプの苔は、乾燥を好みます。
乾燥を好むフデゴケにとって、苔テラリウムは湿度が高いため、あまり好まれない環境といえます。
うまく育てるコツは、フタのない容器を使い、空気を常に循環させてあげることです。
容器は口が広めで高さがない丸いガラス容器か、水槽が適しています。容器は100円ショップでも購入できるため、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。
土台となる用土や石を入れて、ピンセットでフデゴケを押し込むだけで完成します。
フデゴケは石の上でも育ちますので、溶岩石や庭の石を用いて育てている方もいますよ。

苔庭として楽しむ

庭や敷地内にフデゴケを取り入れる方法もあります。

  • 南向きの庭に植える
  • 低木や庭木の根元に植える
  • 駐車場の縁にフデゴケを植える
  • 坪庭にフデゴケを取り入れる
  • アプローチの飛び石の間に植える

フデゴケだけではなく、岩や砂利をレイアウトするとキレイに見えるでしょう。

フデゴケの育て方

フデゴケの育て方

ここでは、フデゴケの育て方について解説していきます。

用土の選び方

畑や山から採った土や腐葉土ではなく、市販で売られている無菌の土を使いましょう。 フデゴケに適した用土は以下の通りです。

  • 黒土
  • 赤玉土(小粒)
  • 川砂
  • ピートモス
  • バーミキュライト

自然のフデゴケは腐葉土の上に生育していますが、外から採取した土を用いると菌が発生しやすくなるためNG。
苔テラリウムや盆栽で使用する際は、できるだけ無菌の土を使用してください。
用土は単体、もしくはすべて混ぜても構いませんが、用土を用意するのが大変な場合は、あらかじめマット状になっているタイプがおすすめです。
ハッピーモスは、通気性や保水性があるピートモスの上に生育させた苔マットを使用しています。
敷くだけですぐに使える点も大きなメリットです。

水やりの方法

水やりは屋外と屋内で異なっています。それぞれの方法をまとめています。

(屋外の場合)
屋外で育てる場合は、基本的に水やりは不要です。
苔は空気中の水分(湿度)を吸収して成長するため、過度な水やりは苔が腐るリスクが高まります。
基本的に屋外の苔は、雨や空気中の湿気で育つので、水やりは必要ありません。
また、フデゴケの先端は、なでるとパチッとはじけて飛び散る性質があります。
これは雨や風の刺激で、無性芽が飛び散り、新たな場所で増える増殖のひとつといわれています。
フデゴケを増やしたい場合は、広げたい方向に水やりをするか、なでてみるといいでしょう。

(屋内の場合)
屋内の場合は、屋内では空気中から水分を得ることが難しいため、苔が乾燥しているか見極めながら、霧吹きで軽く水を与えていきます。
乾燥が進んでくると、固くガビガビになってきますが、この場合でも苔に霧吹きで水を与えると、短時間で復活します。
逆に水を与えすぎると、苔が腐る原因に。水を与えすぎた場合は、スポイトで余分な水分を取り除いてください。
水やりに回数はありませんが、状況をみながら霧吹きをするだけでOKです。

光と温度の管理

フデゴケは日なたでよく育ちますが、やや日陰に植えた場合でも、キレイな濃い緑色に育ちます。
屋内の場合、薄明るい環境であれば育ちます。
風通しが良い場所に置いて、蒸れを防いであげましょう。

フデゴケを育てる上での注意点

フデゴケを育てる上での注意点

ここでは、フデゴケを育てる上での注意点を解説します。

成長速度が遅い

フデゴケの成長速度が遅いため、新しい芽が伸び始めるまでに数カ月かかります。
半年くらいで、やっと成長具合が実感できるので、焦らずに育てていきましょう。

カビが発生しやすい

またフデゴケは、風通しが悪く湿度が高い状況が続くと、白いフワフワをしたカビが発生するリスクが高まります。
日常の手入れとしては、水やりは控えめにし、表面が乾いたときだけ霧吹きを使用します。
カビが発生した場合は、カビの部分をすぐに取り除き、湿度を下げて風通しを良くしましょう。
カビが取り除けない場合は、苔専用の防カビ剤を使用するのも有効です。
また水はけの良い土壌を使い、常に乾燥気味に育ててください。

やや難易度が高い

フデゴケは、比較的難易度が高い苔とされています。理由は、自然に近い環境を再現することが難しいためです。
自然に生えているフデゴケは、山の中や岩の上、腐葉土の上に群がって生えています。
室内で育てる場合、明るい日陰や風通しの良さ、適度な湿度など、自然の条件を揃えてあげる必要があります。
成長速度が遅い分、変化が分かりにくく、管理が不十分だと枯れるリスクも。
フデゴケは独特の美しさがありますが、適切な環境作りと細かな管理が必要なため、やや上級者向けといえます。

まとめ

今回は、フデゴケの育て方について解説してきました。
うまく育てるためには、湿度や光量、風通しを調節する必要がありますが、十分に室内外で楽しめるコケです。
成長がゆっくりのため、焦らずじっくりと育てることもポイントのひとつです。
初心者の方でも、ポイントを押さえれば十分育てることが可能ですので、ぜひこの機会にフデゴケを生活に取り入れてみてください。