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タマゴケ

タマゴケ科|学名:Bartramia pomiformis Hedw. var.elongata Turn.
タマゴケ育て方

春頃にまんまるの胞子体をつけるタマゴケ。見た目のかわいさからコケ愛好家はもちろん初心者にも人気があるコケです。
タマゴケの水やりや、茶色になってしまい対処方法が分からないといった方もいるようです。
今回はタマゴケの育て方や、茶色くなってしまったときの復活方法について解説していきます。

タマゴケ基本情報

タマゴケ基本情報

ここではまずタマゴケの生息地や見た目といった基本情報をまとめてみました。

タマゴケの生息地

タマゴケ

タマゴケは、日本でも見られ、山間部や湿った岩壁や岩上などに多く自生しています。 こんもりとしているので、比較的見つけやすいかもしれませんね。

タマゴケは、次のような場所で見つけることができます。

  • 参道の石垣
  • 神社やお寺
  • マツやスギ、ヒノキなどの木が生えている林の中
  • ほぼ日陰
  • 標高が高い山
  • 坂になっている場所
  • 雨の後に水滴が落ちてくる場所
  • 腐葉土の斜面

スギやヒノキなどの森の中で、少し傾いた地面にある湿った岩の上を探してみてください。
春になると、その緑の塊の上に小さな「目玉」のような胞子のうを見つけることができるでしょう。

タマゴケの見た目

タマゴケは、春先にかけてまんまるの胞子体が多くつきます。
この見た目のかわいさから、育て始める方も多いのではないでしょうか。
胞子体は、蒴(さく)とも呼ばれていて、風を利用して胞子を飛ばします。
大きさは、2mmと非常に小さく、支える柄(え)の長さは1.5cmほどです。
胞子体は、不思議なことにすべて同じ方向をむいているんですよね。

タマゴケ

胞子体は柄から細い茎が伸びて、先端に小さな蒴ができ始めます。
蒴が膨らんでくると丸い球体になり、中央に赤い瞳のような部分が薄く見え始めます。
中央の赤い部分は実はフタで、胞子を放出する開口部です。
胞子を放出し終えると蒴は枯れていきます。

タマゴケ

この胞子体は、青りんごに見えることから、英語で「apple moss」と呼ばれていているそうです。
日本ではコケ愛好家に「タマちゃん」や「目玉のおやじ」といった愛称で親しまれています。

タマゴケの分布

タマゴケの分布

タマゴケは、日本はもちろん東アジア、シベリア、ヨーロッパ、北アメリカなど広範囲に分布しています。
タマゴケの蒴は、地域によって異なりますが、2月から4月にかけて見られます。
散歩や森林浴のついでに、山間部や古い庭園、お寺、神社などをゆっくり探してみるのも楽しいですよ。

タマゴケが好む日当たり

タマゴケは半日陰の場所を好みます。
太陽光が届かないほど暗い場所ではなく、カーテンを半分程度、閉めた感じの明るさでしょうか。
葉が乾燥すると縮れてしまうため、湿度は高めに設定してあげると良いでしょう。

タマゴケの育て方

タマゴケ育て方

平らで広い場所全体を覆おうとするのではなく、岩の周りや斜面など斜めになっている場所に植えていくのがコツです。
水はけと保水性のある土をたっぷり使って、タマゴケが喜ぶ環境を作ってあげましょう。
ここからはタマゴケの育て方について解説していきます。

タマゴケに適した土

タマゴケに適した土は、水はけと保水性がある土が好ましいとされています。
量に関しては、タマゴケが水に浸からないように用土は多めに使用します。

(用土の例)

  • 市販のコケ培養土
  • 赤玉土小粒と鹿沼土小粒を混ぜた用土
  • ピートモスと赤玉土を7:3の割合
  • 石に養生させたい場合はケト土主体

タマゴケは高い湿度は好みますが、水に浸かることが苦手なため、平たく植え付けるのではなく、斜めになっている場所に植え付けるのがコツです。

タマゴケ

少し傾斜のある場所に植えると、水はけも良くなりますよね。タマゴケにとって快適な環境を作ってあげてください。

タマゴケの水やり方法

タマゴケ

タマゴケは湿った環境を好むため、水やりの回数は多めにします。
朝や夕方の涼しい時間を選んで、細かい霧状の水をタマゴケ全体にまんべんなくかけましょう。
地面も含めて湿らせていきますが、水たまりができるほどの水やりは必要ありません。
コケの表面がパサパサに乾いている場合や、葉が丸まっている場合は水が足りていないサイン。
夏場は乾燥しやすいので、朝夕2回など水やりの回数を増やしてみてください。
逆に、雨が続く日や梅雨の季節は、タマゴケの状況を見て水やりの回数を調整しましょう。

タマゴケは苔テラリウムにも最適

タマゴケは湿気の多い環境で育ちやすいため、苔テラリウムなどでも育てやすい傾向があります。
容器はガラスやプラスチックといった透明な素材がおすすめです。
フタの有無に関しては、乾燥している時期や場所であれば、フタがあるタイプが適しています。
逆に湿度が適切に保たれている場合は、フタなしでも育てられます。
水やりは霧吹きで朝か夕方の涼しい時間帯に行いましょう。
乾燥に弱いからといって、水が底にたまるほどの水やりはNG。水を与えすぎた場合はスポイトなどで取り除いてください。

タマゴケが茶色くなる原因や対策

タマゴケが茶色くなる原因や対策

タマゴケを育てていて避けられないのが、茶色に変色してしまうことではないでしょうか。
ここではタマゴケが茶色くなってしまう原因や、対策についてまとめてみました。

タマゴケが茶色くなる原因

タマゴケが茶色くなる原因は、おもに6つあります。

  • 乾燥
  • 高温
  • 直射日光
  • カビの発生
  • 虫の影響
  • 環境の変化

タマゴケは、基本的に湿度の高い環境を好みます。
長時間の乾燥や、25℃をこえる高温、直射日光に当たりすぎた場合でも、茶色く変色する場合があります。
タマゴケは湿度を好みますが、高すぎる湿度もカビが発生し茶色くなる原因に。白くてフワフワしたものや黒いポツポツが発生している場合はカビの可能性があります。
苔テラリウムで育てている場合は、虫の発生にも注意が必要です。外部からコケを採取したケースに多いとされていますが、キノコバエやガガンボといった、虫の幼虫が紛れ込んでいるケースもあります。
タマゴケは環境の変化によって茶色くなりやすいですが、適切な手入れを行うことで再生しやすくなるでしょう。

タマゴケが茶色になったときの復活方法

タマゴケが茶色に変色した場合でも、完全に枯れてしまったわけではありません。
カビの場合は放置すると枯れてしまうため、ベンレートを1000倍に薄め、霧吹きで5〜6回吹きかけるのがおすすめです。
虫が発生している場合は、コケをよく洗い流し、園芸用の殺虫殺菌剤を使用します。殺虫殺菌剤を使用する場合は、薬害の危険もあるため、使用する前にコケを十分に湿らせてから駆除してください。
外部からの虫の持ち込みを最小限に抑えるためにも、専門店のコケを使用しましょう。
乾燥や高温、直射日光で茶色くなった場合は、茶色くなった部分を取り除き、水やりの回数を増やす、コケを置く場所を変えるなどで対処します。
タマゴケは通常日陰で育つ植物ですので、直射日光が当たらない場所で育てるよう心掛けてください。
春先に見られる胞子体は寿命を迎えると、茶色く変色します。
そのままにしておくとカビの発生原因になる可能性があるため、ピンセットで引き抜くか、ハサミで根元から切り取っても構いません。

まとめ

今回は、タマゴケの特徴や育て方について解説してきました。
タマゴケは、春先に胞子体をつけるのが特徴的で、「目玉のおやじ」や「タマちゃん」といった愛称で親しまれています。
コケを育てていると避けられないのが変色です。
カビや虫が発生した場合は、放置しておくと枯れる原因にもつながりますので、すぐに対処することで枯れるのを防げるでしょう。 環境の変化で茶色くなった場合は、場所を変えることや、水やりの頻度を増やすことで再生する可能性は高くなってきます。適切な水やりと湿度がうまく育てるコツです。
タマゴケは、徒長しにくいコケのため、初心者でも育てやすいコケです。あなたの生活にもぜひタマゴケを取り入れてみてください。