苔の販売専門店ハッピーモス 3万円以上送料無料

コウヤノマンネングサ

マンネングサ科|学名:Climaciam japonicum Lindb.
コウヤノマンネングサ育て方

日本で自生しているコケの中では大型のコウヤノマンネングサ。
苔テラリウムだけではなく、苔盆栽の主役としても使用されています。
中にはコケの育て方やメンテナンスに悩む方もいるでしょう。
今回はコウヤノマンネングサの育て方や茶色に変色してしまう理由について解説していきます。

コウヤノマンネングサの基本情報

コウヤノマンネングサ基本情報

ここではコウヤノマンネングサの見た目や、コケが好む日当たりなどを解説していきます。

見た目

コウヤノマンネングサの見た目は、一見すると「草」に見えるほどフサフサとしています。
名前に「草」とついたのも昔の人が間違えたからだとか。
近くでみると「ヤシの木」のようにも見えるため、愛好家の方にも人気があります。
コウヤノマンネングサは、日本のコケの中で最も大型の種として知られています。

コウヤノマンネングサとは

日当たり

コウヤノマンネングサは、木漏れ日から明るい日陰を好みます。
直射日光は苦手ですので、屋外で育てる場合は、遮光ネットを活用して調節しましょう。
苔テラリウムの場合は、北側の窓際やレースカーテン越しなど、柔らかい光が確保できる場所で育ててください。

高野山のお守り

コウヤノマンネングサの「コウヤ」は、高野山の意味が込められています。
高野山では、古くから乾燥させたコウヤノマンネングサを、お守りとして授与する習慣があったそうです。現在はそのような風習は残っていないそうですが、神秘的なコケですよね。
さらに屋台で販売されていたのが、「水中花」と呼ばれるお土産です。
「水中花」とは、水を入れた容器に花や葉を入れて開花を楽しむものですが、過去には葉の部分にコウヤノマンネングサが使用されていたそうです。

コウヤノマンネングサの自生地

コウヤノマンネングサ自生地

コウヤノマンネングサは、どこに自生しているのか気になる方もいるでしょう。
ここでは自生している場所について解説していきます。

分布

コウヤノマンネングサは、北海道から九州にかけて自生しています。
特に長野県や静岡県といった標高1,000〜1.900mあたりの山地に生息しているため、平地や海沿いといった場所では見つけられないでしょう。

生育場所

コウヤノマンネングサは、山林の腐植土が豊富な場所や、川辺など湿度の高い環境を好んで生育します。
高さは6cm程度まで成長しますが、場所によってはシダの下や、落ち葉などで見つけにくいケースもあるようです。

絶滅危惧種?

コウヤノマンネングサは、多くの自治体で準絶滅危惧種に指定されているコケです。
愛知県では、絶滅危惧1類(CR+EN)に指定されており、県によっては貴重なコケとしても知られています。
絶滅危惧種に指定された背景には、地球温暖化や土地開発のほかに、コケの乱獲などがあげられます。自生しているコケを見つけても無断で採取することは避けてくださいね。

コウヤノマンネングサの育て方

コウヤノマンネングサ育て方

ここでは、コウヤノマンネングサの育て方について解説していきます。

適した土

コウヤノマンネングサは栽培が難しいコケとしても知られています。
うまく育てるには、自然に近い環境に近づけることがポイントとなるようです。

【用土の例】
黒土(または消毒した庭土/畑土): 30%
ピートモス: 20%
小粒軽石: 20%
川砂(または山砂): 10%
バーミキュライト: 10%
鹿沼土や赤玉土(細粒)10%

ピートモスは水をはじく性質があるため、使用前に水を含ませてください。

  • 腐葉土

市販の腐葉土は、湿ってくると重くなり通気性が悪くなる傾向があります。
新芽が土の表面から出にくくなる可能性があるため、市販で売られている腐葉土を混ぜる必要はありません。

  • 土の量

コウヤノマンネングサは背が高くなるコケのため、通常より多くの土(目土)が必要になってきます。
ここで重くて通気性の悪い土を使うと、コケが窒息してしまい新芽が出にくくなる可能性もあります。
土は重さよりも軽くて通気性の良い土を使うことがポイントです。
土は粒が大きくても、軽さと通気性があれば問題ありません。軽くて通気性がある土を多く使用しましょう。
市販で売られている一般的な腐葉土だけでは、コウヤノマンネングサにとって最適な環境を作るのは難しいかもしれません。
できるだけ自然の環境に整えることが、コケを元気に育てるポイントです。

適した容器

コウヤノマンネングサ

苔テラリウムで育てる場合は、通気性の良い容器を選びましょう。
容器は、適度な湿度を保ってくれるガラスが適しています。
形状は、底が広いボウル型がおすすめです。
大きさは、直径が20cm程度、高さが15〜20cm程度のものがコウヤノマンネングサの成長に適しています。
フタは完全に密閉するのではなく、小さな穴が開いているものや、容器の上部があいているタイプがおすすめです。
逆に筒状やシリンダー型の細長い容器は徒長の原因となるため、避けてください。
コウヤノマンネングサは、他のコケに比べて大きく育つため、単独での栽培のほかに、寄せ植えなどにも向いています。
コウヤノマンネングサの地下茎は横に広がって伸びるので、盆栽で育てる場合は、平鉢や浅鉢がおすすめです。
直径15〜20cm程度の鉢が扱いやすいでしょう。株の大きさに応じて調整してください。

水やりのポイント

コウヤノマンネングサは、乾燥が進んでくると、葉が乾いて枝葉が閉じてくる性質があります。
このため、葉の表面が乾かない前に水やりを行うのがベストです。
葉を傷つけないように霧吹きといった細かい粒子で水を与えましょう。
決まった間隔はありませんので、湿度などを把握しながら水を与えてください。

コウヤノマンネングサが茶色に変色する理由

コウヤノマンネングサ茶色に変色する理由

コウヤノマンネングサの親株は、環境の変化に非常に敏感です。
自然の環境から室内などの環境に移すと、環境の変化についていけずに茶色く変色する場合があります。

(茶色くなる原因)

  • 乾燥した室内
  • 30℃をこえる暑さ
  • 強すぎる日光
  • 水分不足
  • 光量不足

茶色に変色した場合は、こまめに霧吹きで湿度を保ったり、夏は涼しい場所に移動したり、光が足りない場合は明るい場所に置くなど対処しましょう。
コウヤノマンネングサは、環境の変化で親株が変色する場合がありますが、コケが新しい環境に適応している場合も考えられます。茶色くなった場合でも、水は与え続けるようにしてください。
新芽も新しい環境で成長する性質があるため、環境が整っていれば十分に育つ可能性もあります。実際に関東でもコウヤノマンネングサをベランダで育てている方もいます。
親株の変色は避けられないケースもあるため、むしろ新芽を育てていくとうまく育つかもしれませんね。

まとめ

今回は、コウヤノマンネングサの育て方について解説してきました。
コウヤノマンエネングサは、栽培が非常に難しいといわれているコケでもあります。
実際に「すぐに茶色くなってしまった」といった声も。
親株は一見すると茶色になってしまうかもしれませんが、新しい環境になじんでくると新芽がうまく育つ場合もあります。
コウヤノマンネングサは、自然に近い環境を整えることがポイントです。
苔テラリウムや盆栽での栽培は、難しいと感じるかもしれませんが、実際に育てている方もいます。育ててみたいという方は、ぜひ取り入れてみてください。