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フジノマンネングサ

フジノマンネングサは、一見すると草のように見えるほど大型に成長するコケ。
名前に「草」という言葉が含まれていますが、実際には都市部ではなく森林に自生する珍しいコケでもあります。
高さがあるコケのため、小さな空間でも大きなインパクトを与えられると人気があります。
中には名前や見た目が似ている「コウヤノマンネングサ」との違いが分からないという方もいるでしょう。
今回はフジノマンネングサの育て方に加えて、コウヤノマンネングサの違いも解説していきます。
目次
フジノマンネングサの基本情報

ここではフジノマンネングサの特徴について解説していきます。
生育場所
フジノマンネングサは、落葉樹が生い茂る亜高山の林の中で自生しています。
標高1,600から2,400mの地域といった所でしょうか。
沢を好む性質があるため、山の中の小川に沿って歩くと、自生しているコケに遭遇できる場合があります。
愛媛県といった一部の県では、絶滅危惧I類(CR+EN)に分類されており、絶滅の危機に瀕しているコケです。
大変珍しいコケですので、自生しているコケを見つけても採取することは絶対に避けましょう。
見た目
フジノマンネングサの茎は地面から真っすぐ伸びていて、先端部分に小さな葉っぱがついています。
見た目は、フサフサしたヤシの木といった所でしょうか。
全体的に柔らかそうな緑の塊に見えるため、自生しているコケはもちろんのこと、苔テラリウムとして多くの方に好まれています。

密集しているとコケに見えないため、自生しているフジノマンネングサを見つけたときは感動しますよ。
分布
日本では北海道から四国まで、日本以外では、隣国の韓国やロシアの一部、さらには北アメリカの西側にも自生しています。
湿った森の中や、倒れた木の上でよく育つため、都心部や公園などでは見つけにくいでしょう。
日当たり
フジノマンネングサは、直射日光の光ではなく明るい日陰を好みます。
屋外であれば、落葉樹の下や建物の北側など半日陰の場所が適しています。
室内の場合は、北向きの窓際や、東向きの窓から少し離れた場所がおすすめです。
自然光が十分でない場合は、蛍光灯やLED植物育成ライトを使用することも可能です。
エアコンの風が直接当たる場所は避け、温度も10度以下にならないように湿度管理にも気を配りましょう。
フジノマンネングサとコウヤノマンネングサとの違い

中には、コウヤノマンネングサとフジノマンネングサの違いが分からないという方もいるようですね。
ここでは、コウヤノマンネングサとフジノマンネングサの違いについて解説していきます。
見た目に違いがある

引用元:富山市科学博物館
https://www.tsm.toyama.toyama.jp/images/public/detail/9499
コウヤノマンネングサとフジノマンネングサは、見た目に大きな違いがあります。
フジノマンネングサの画像を見ると、全体的に細かな葉が生えているのが分かりますか。
フサフサとしていて、繊細な姿をしていますよね。

上記の画像は、コウヤノマンネングサです。
コウヤノマンネングサは、杉の葉のようなトゲトゲした姿をしています。
コウヤノマンネングサは、より樹木に近い印象があるかもしれませんね。
大きさに違いがある
フジノマンネングサは、コウヤノマンネングサに比べてひとまわりコンパクトです。
一方のコウヤノマンネングサはより大型で、直立茎の上部で枝分かれをします。茎の高さは8cmほどで、先端部分が大きくしなっているのもコウヤノマンネングサの特徴です。
フジノマンネングサは、コウヤノマンネングサと比較して、全体的によりコンパクトで繊細な姿をしていることが分かります。
フジノマンネングサの育て方

ここからは、フジノマンネングサの育て方について解説していきます。
適した土
フジノマンネングサは、乾燥した場所ではなく、適度に水分を含んだ環境を好みます。
- 溶岩石を砕いた小石
- 黒土
- 庭土
- 腐葉土
- ピートモス
- バーミキュライト
などがおすすめです。
用土を用意するのが面倒な方は、ハッピーモスの苔マットが適しています。
ハッピーモスの苔マットは、ピートモス上で苔を育成していて、直接敷くだけで使用できます。土作りが「手間」と感じている方は、苔マットを選ぶと失敗しないでしょう。
水やりのポイント
フジノマンネングサは乾燥に弱い苔です。
葉が乾く前に霧吹きで水を与えましょう。
- 夏場はたっぷり
- 秋以降は2〜3日おき
が目安です。
フジノマンネングサは根がありませんので、容器の下に水がたまっていても根が腐ることはありません。長期間、水が滞留する場合は、古い水をスポイトで取り除くとよいでしょう。
フジノマンネングサの植え付け方
元気に育てるためには、容量が大きく、空気がこもりにくい設計の容器を選びましょう。
- 大きめの球形や六角形のガラス容器
- 開放型の陶器鉢
- プラスチック製のコンテナ
- 大型のガラス水槽
温度が極端に低下しそうな場合は、必要に応じてフタを使用しても問題はありません。
フジノマンネングサのトラブル

フジノマンネングサを育てていると、さまざまなトラブルがあるようです。
ここではトラブルの対処法についても解説していきます。
茶色に変色したら
フジノマンネングサは、光量が強いと葉が焼けて茶色に変色してしまう場合があります。
直射日光が当たる場所は避けて、明るめの日陰で育てるようにしましょう。
また、絶えず葉を乾かさないように育てることがポイントです。
苔テラリウムでは、新芽が出ると親株が茶色に変色する場合もあります。
一般的にフジノマンネングサは、1年に1株、多くて2〜3株の新芽が生えてきます。
茶色く変色しても、枯れたわけではありません。
水やりや光量、乾燥などに注意しながら育ててみてください。
カビが生えたら
苔テラリウムの場合、白カビのようなものが生えていたり、長時間放置していたら虫が湧いていたりといったトラブルもあるようです。
カビを見つけた場合は、ハサミでカットしてみましょう。
広範囲の場合は、コケを容器から取り出し水で十分に洗い流してください。
砂や石といった有機物を含まない用土に変更するのもおすすめです。
また、自然に生えているコケを採取するのではなく、専門店で購入したコケを使用してください。
専門店のコケは品質が管理されているため、病気や害虫リスクも少なく安心です。
徒長したら
コケは、空気の流れが滞ると、新鮮な空気を求めて上へ伸びる性質があります。
シリンダーといった細長い容器で育てていると、空気の流れが悪くなり徒長しまう場合も。
徒長を避けるためには、大きめな容器に変更するか、毎日換気するようにしましょう。
また、光量が不足していることも徒長の原因の一つです。
フジノマンネングサは適度な明るさを好みます。自然光が理想ですが、十分な自然光が得られない場合は人工光もおすすめです。
LEDライトなど、熱の少ない光源を選びましょう。
高すぎる温度は、コケにとってダメージを与えてしまう印象がありますが、実際は30℃をこえていても元気に育ちます。
夏場の暑さでも元気に育つ要因は、適度な換気と容器の形状にあるようです。
まとめ
今回は、フジノマンネングサの育て方や、コウヤノマンネングサの違いについて解説してきました。
フジノマンネングサは森林地帯に生育する大型のコケで、半日陰の湿った環境を好みます。
コウヤノマンネングサとは見た目や大きさが異なり、繊細でコンパクトな姿が特徴です。
植え付けには通気性の良い大きめの容器を選ぶと失敗しないでしょう。
背が高いのでレイアウトに使いやすいと好評のフジノマンネングサ。
あなただけの癒しの空間に、フジノマンネングサを取り入れてみてはいかがでしょうか。
きっと、植物を育てる新たな喜びと発見が待っていますよ。
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