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ヒノキゴケ

ヒノキゴケ科|学名:Pyrrhobryum dozyanum
ヒノキゴケの育て方や植え付け方

イタチのシッポのような見た目をしているヒノキゴケ。
高さを出したい時に重宝する苔ですが、育て方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ヒノキゴケの特徴や育て方、植え付け方などを解説していきます。
茶色くなった場合の対処法もまとめていますので、初心者の方はぜひ参考にしてみてください。

ヒノキゴケの基本情報

ヒノキゴケとは

ここではヒノキゴケの基本情報をまとめています。
ヒノキゴケの特徴を知った上で、育て方をマスターしていきましょう。

生育場所

ヒノキゴケは、主に山地の日陰や半日陰の環境で生育している苔です。
特に、林の中の湿った腐植土が豊富な場所や、木の樹皮、谷沿いや沢の斜面といった湿度の高い場所を好みます。
直射日光の当たる場所や乾燥した場所では生育しないため、ある程度、湿度がある環境が適しています。
ヒノキゴケは自然の中でも、特定の場所にしか生えていない珍しい苔です。
都市部で自生しているヒノキゴケを見つけるのは、ほぼ不可能と言っていいでしょう。

見た目

名前の由来は、ヒノキの幼苗に似ていることから「ヒノキゴケ」と名付けられました。
ヒノキゴケは、別名「イタチシッポ」と名付けられているほど、フサフサとした見た目が特徴です。
高さも10cmほどまで成長するため、背の低い苔と組み合わせてレイアウトすると、立体的な景観を作りだせるでしょう。

【ヒノキゴケの特徴】

  • 高さ5〜10cm
  • 直立または斜めに立ち上がる茎
  • 細長い葉が放射状に密生
  • 茎の中程から先端にかけて葉が小さくなる
  • フワフワとした柔らかな触感

中にはシダ植物の「ヒカゲノカズラ」と間違えてしまう方もいるようです。

下記の画像は、シダ植物の「ヒカゲノカズラ」です。

ヒカゲノカズラ

「ヒカゲノカズラ」は山間部や里山に分布しているシダ植物です。日当たりの良い斜面や土がむき出しになった場所、ブロック壁といった鉱物質土壌が露出した環境でもよく見られます。
ヒカゲノカズラは主茎と側枝があり、二又に分枝しながら広がっていくのが特徴です。

下記の画像は「ヒノキゴケ」です。

ヒノキゴケ

ヒノキゴケは、「ヒカゲノカズラ」と違い、ほとんど枝分かれはしません。
茎の中ほどから下の部分に見える褐色(茶色)の部分が仮根です。
全体的にまとまった形で、こんもりと見えるのが特徴です。

分布

日本では本州から九州にかけて多く見られ、木の樹皮や谷沿い、沢の斜面など湿度の高い場所に群生しています。湿った腐植土の豊富な場所で育つため、森林を歩いていると発見できるかもしれませんね。
京都では祇王寺や銀閣寺、瑠璃光院などでも見られ、過去に銀閣寺で「大切な苔」の一つとして「ヒノキゴケ」が展示されていたこともありました。
現在、苔の展示は終了していますが、当時は「とても邪魔な苔」として「ゼニゴケ」や「ジャゴケ」など12種類も展示されており、ユニークで面白いと話題になったようです。

日当たり

ヒノキゴケは、柔らかな光が差し込む涼しい環境を好みます。
森の中で木々に囲まれた場所や沢、滝など、水がある場所が理想的な生育環境といえます。直射日光が当たる場所では育ちません。
ヒノキゴケを「庭で育てるのは難しい」という意見もありますが、実際に上手に育てている方もいます。

ヒノキゴケの育て方

ヒノキゴケの育て方

ここからは、ヒノキゴケの育て方や水やりについて解説していきます。
育て方のコツを抑えて、苔本来の美しさを保てるようにしましょう。

適した土

ヒノキゴケは水はけが良く、適度に水分を保持できる土を好みます。
土は1種類ではなく、いくつかの用土を混ぜ合わせて作るのが理想的です。

  • 黒土
  • 庭土
  • 腐葉土
  • 赤玉(小粒)
  • ピートモス
  • バーミキュライト

おすすめは、腐葉土と赤玉土を混ぜ合わせた用土ですが、土を混ぜるのが面倒な場合は、苔マットを選ぶと便利です。
ハッピーモスの苔マットは、ピートモスの上に苔を生育しているため、直接敷くだけで使用できます。
苔マットは土作りの手間を省けるので、簡単にヒノキゴケを育てられるでしょう。

水やりのポイント

十分な水分があると、葉っぱがピンと開いてふわふわとした姿を見せますが、乾燥すると葉がクルクルと縮れてきます。
葉が縮れ始めたら、水を欲しがっているサイン。乾燥時は1日何回でも構わないので水を与えてください。
苔テラリウムで育てる場合は、高さのある蓋付きの容器で育てるのがポイントです。
葉の状態をこまめに観察し、縮れ始めたら即座に水を与えるなど、きめ細かなケアをしていきましょう。

ヒノキゴケの植え付け方

ヒノキゴケ植え付け方

ここからはヒノキゴケの植え付け方を紹介していきます。コツをつかむと初心者でも簡単に植え付けられますので、チャレンジしてみてください。

仮根を土に埋める

ヒノキゴケは、茎の中ほどから下の部分に茶色い仮根がたくさん生えています。
植える時は、仮根を土の中にしっかりと埋めるようにしましょう。
できれば新芽の部分もしっかり埋め込んであげると、古い葉っぱから新しい葉っぱへの切り替えがスムーズに進みます。
石に定着させたい場合は、モビロンバンドでしっかりと固定してください。

背の低い苔とレイアウトする

ヒノキゴケは背が高めなので、背の低い苔と一緒にレイアウトすると立体感のある空間が作れるのでおすすめです。

(おすすめの苔)

  • コツボゴケ
  • タマゴケ
  • アラハシラガゴケ

背の低い苔を前に配置して、背の高いヒノキゴケを後ろに配置することで、奥行きのある構図が作れます。

石と石の間に植え付ける

石と石の間や、石と容器の隙間にしっかりと苔を詰め込む方法もおすすめです。
苔のボリューム感が増し、より自然な景観を作り出せます。
苔テラリウムの場合は蓋付きの容器を使用しましょう。

庭の場合は小さなエリアで育てる

ヒノキゴケは、水が流れているような場所を好むため、生育環境が限られてくる苔です。
庭の場合は、30センチ角程度の小さな区画で実験的に育ててみて、徐々に増やしていくことをおすすめします。庭全体に使用するのではなく、アクセントとして部分的に使用するのが良いでしょう。

茶色くなったヒノキゴケの対処法

ヒノキゴケ茶色くなった場合

ヒノキゴケを育てていると、茶色くなってしまったという方も見かけます。
ここでは、ヒノキゴケが茶色に変色してしまった場合の原因や、対処法について解説していきます。

ヒノキゴケが茶色くなる原因

ヒノキゴケが茶色くなってしまう原因は、葉の老化です。
ヒノキゴケは1年ほど経過すると古い葉が老化していき、葉が枯れていくのが特徴です。
通常は美しい緑色をしていますが、1年ほどかけて、黄色、赤褐色、茶色へと変化していきます。

ヒノキゴケの復活方法

下の方から新芽が出ていれば、色の変わった部分は切り取っても問題ありません。
新芽は秋から春にかけて、下の方から小さな芽が出てきます。
春になると新芽が伸び始めてくるため、再び青々とした姿を取り戻してくれるでしょう。
乾燥が進むと葉が内側に縮れてきます。この場合は、すぐに水を与えてください。
ただし乾燥が進み茶色に変色した場合は、もとに戻すことは難しいでしょう。

まとめ

今回は、ヒノキゴケの育て方や植え付け方について解説してきました。
ヒノキゴケは、主に山地の湿った日陰に自生していて、都市部ではほとんど見られません。
乾燥すると葉が縮れてくるため、定期的な水やりが必要です。
ヒノキゴケの葉は1年ほどで古い葉が枯れていきます。
新芽は秋から春にかけて生えてきますので、過度に心配する必要はないでしょう。
苔テラリウムで育てる場合は、湿度が保てるように高さのある蓋付きの容器で育てるのがポイントです。
乾燥に弱い苔のため、葉をあまり乾かさないようにしましょう。
単体でも、ワンポイントとして取り入れてもOKなヒノキゴケ。
初心者でも育てやすい苔ですので、この機会にチャレンジしてみてください。