苔の販売専門店ハッピーモス 3万円以上送料無料

カモジゴケ

シッポゴケ科|学名:Dicranodontium denudatum (Brid.) Britt.
カモジゴケ
カモジゴケ

リスのしっぽのようなフサフサした見た目の「カモジゴケ」
柔らかくこんもりと育つので、苔庭はもちろん苔玉や苔テラリウムとして楽しんでいる方も。
中には「茶色く変色して困った」や「育て方が分からない」という声もあります。
今回は、カモジゴケの特徴や育て方について詳しく解説します。
初心者でも簡単に育てられる方法も、解説していきますので参考にしてみてください。

カモジゴケの特徴とは

カモジゴケの特徴とは

はじめに、見た目、特徴、日当たりなどをまとめてみました。

カモジゴケの見た目

カモジゴケは、フサフサとした見た目の苔。
名前の由来は、日本型を結うときに使うつけ毛の「カモジ」に似ているためと言われています。星形がかわいいスナゴケとは違い、「カモジ」というだけあって長さのある苔です。

(特徴)
・茎の長さは約10cm
・枝分かれはしない
・茎の表面には灰白色の仮根が多く見られる
・葉は長さ約1cm
・基部は広く先端に向かって細長い
・葉の縁は鋭い歯を持ち中肋は葉の先端まで達する。
・胞子体は茎に1本付き、朔は円筒形で曲がる
苔の中でも特に見た目が美しいので、苔庭などで人気があります。

カモジゴケはシッポゴケと一緒に生息している?

カモジゴケはシッポゴケと一緒に生息している?

シッポゴケやオオシッポゴケは、同じ環境を好むため、同じ場所で生えることがよくあります。
見分け方に関しては、カモジゴケは葉の先がみんな同じ向きを向いているのに対して、オオシッポゴケの茎の根っこは茶色がかっています。
ただしシッポゴケ類は約20種類が知られていて、区別するのはなかなか難しい点がデメリット。
どちらも、苔庭に使われる苔ですので、一緒に生息していたとしても神経質になる必要はないでしょう。

カモジゴケはどこにいるの?

カモジゴケは、山地の林内の腐植土や大木の根元、落ち葉が堆積した場所に生息しています。
全国各地で生息していますが、自然に生える場所が限定されているので、市場での流通は限られています。

カモジゴケが好む日当たり

日照量

-solar radiation-
日照量

半日陰の腐植土や砂質の地面を好む苔です。
苔が好む環境を考えると、湿度が適度に保たれ、夏でも比較的涼しい場所が適しているでしょう。

カモジゴケの育て方

カモジゴケの育て方

ここでは、適している場所、好む土、時期、水やりについてまとめてみましたので参考にしてみてください。

カモジゴケが適している場所

苔庭、プランター、盆栽、苔テラリウムなどで育てるのがおすすめ。
苔庭の場合は、苔マットを使うと便利です。
ハッピーモスでも販売していますが、すでに成長している苔マットを使用するので、簡単に苔庭が完成します。
苔マットは、ハサミでカットすると苔テラリウムとしても楽しめます。
施工後は、土がしっかりと植物になじむように、目土を施し、光が直接当たらないように寒冷紗で覆うと良いでしょう。
カモジゴケは長さがある苔のため、苔玉にも適していますし、盆栽の下草に利用するとオシャレですよ。
苔テラリウムのように室内で育てる場合は、レースのカーテンがかかった窓辺など、直射日光を避けた涼しい場所での育成をおすすめします。
夏は容器が蒸れやすくなるので、玄関や北側の窓など涼しい場所を検討してください。
水槽の中に水を入れて水草のように楽しむ水中化には、適していませんので注意してくださいね。

カモジゴケに適した土

川砂と腐葉土を半分ずつ混ぜた土がおすすめです。
川砂や真砂土と腐葉土と組み合わせた混合土でもよく成長します。
自然環境では腐葉土を好みますが、鉢植えでの栽培では砂を混ぜた排水性の良い土がおすすめです。
苔玉を作るときは、ケト土・赤玉土を7:3の比率で混ぜ合わせると良いでしょう。

カモジゴケを植え付ける時期

育てやすい苔ですので、年間を通していつでも植えられますが、30℃をこえる真夏の暑い時期は避けてください。

カモジゴケの水やり

高温時に水を与えると、苔が茶色に変色する恐れがあるので、注意しましょう。
苔テラリウムで育てている場合は、乾燥してきたと感じた時点で霧吹きで水を与えるだけでOK。
過度の水やりは蒸れの原因になるため、必要ありません。

カモジゴケが茶色になる原因

カモジゴケが茶色になる原因

苔を育てていると、「茶色くなって驚いた」や「対処法が分からない」といった方もいるでしょう。ここでは、なぜ茶色く変色してしまうのかについてまとめてみました。

蓋つきの容器で育てている

「苔は湿気を好む」と思い込んでいる方もいます。
確かに適度な湿度を好みますが、蓋を占めた状況は白カビの発生原因に。
カモジゴケは乾燥に強い苔ですので、苔テラリウムで育てる場合は蓋がないタイプで育ててあげましょう。
すべての苔が「暗く湿った場所」を好むわけではなく、種類によっては適度な日光や乾燥にも耐えられるタイプもあります。失敗してしまう方は、育てる前に環境に適した苔を選ぶことも大切です。

過度に水を与えすぎている

水道の蛇口に持っていき、上からたっぷり水を与えていませんか。
苔を長時間水に浸していると、苔が黒く変色し、最終的にドロドロと溶けた状態になってしまうことも。
苔テラリウムで育てる場合、スプレーで水を与えるくらいでOKです。
容器に水がたまるほど、水を与えると茶色く変色する原因に。
水を与えすぎた場合は、スポイトで余分な水を取り除いてあげましょう。
すぐに枯れないので、必ず朝か夕方に水を与えてくださいね。

置く場所や環境を頻繁に変えている

頻繁に育てる場所や環境を変えていませんか。
・日中は屋外で育て夜は室内に取り込む
・苔テラリウムの蓋を閉めたり外したりしている
・蒸れた環境と乾燥を短時間で繰り返している
・外に出すと乾燥が進むためすぐに水を与える

おそらく苔が変色しているために、何とかしようと場所を変えたり、水を与えたりしているのかもしれません。
苔玉は2〜3日室内で楽しんだら、蒸れを避けるために屋外で育てるのがベスト。
苔テラリウムで育てている方は、頻繁に場所を変えるのは避けて、北側の直射日光が当たらない窓辺に配置すると良いでしょう。
簡単に枯れたりすることはありませんので、最低でも3カ月ほどは、できるだけ同じ場所で育ててください。

日中の暑い時間帯に水を与える

苔園芸をはじめたばかりの方は、苔が茶色く変色していたり、縮れていたりすると直感的に水を与えたくなるかもしれません。
晴れた日や風の強い日に苔がしぼんで見えることがありますが、苔が乾燥を避けるための自然な反応で、枯れたりしおれたりしているわけではありません。
水分を与えるか雨が降るとすぐに葉を広げ、元の美しい状態に戻ります。
だからといって、慌てて水やりをするのはNG。
苔内部の水分が過熱し、苔の蒸れや弱りの原因となり得るからです。
水やりは、朝か日が落ち始める夕方に行うのがベストです。

まとめ

今回は、カモジゴケの特徴や育て方、茶色になってしまう原因について解説してきました。
フサフサとした見た目から、苔庭・苔テラリウムとして人気があります。
基本的に適切な土、水やり、日当たりをマスターするだけで、簡単に育てられる苔です。
色が茶色に変わってしまうと、育て方についての疑問が生じることもあるでしょう。
乾燥や過湿にも一定の耐性がありますが、過度の水やりや直射日光は色の変化を引き起こす原因となるため注意が必要です。
環境の急激な変化は避けて、安定した環境で育てることが、うまく育てるカギです。
この機会にカモジゴケの栽培に挑戦して、美しい苔の世界を手に入れてみませんか。