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ホソバオキナゴケ

シラガゴケ科|学名:Leucobryun neilgherrense C.Muell
ホソバオキナゴケ
ホソバオキナゴケ

ホソバオキナゴケは、苔庭に多く使用されていますが、盆栽や苔テラリウムにも用いられている苔です。
長期間楽しめるとあって、育てている方もいるのではないでしょうか。
ですが育てているうちに「茶色く変色してしまった」と悩んでいる方も多いようですね。
今回は、ホソバオキナゴケの増やし方や育て方、水やりの頻度、茶色くなってしまう原因について解説していきます。

ホソバオキナゴケの特徴とは

ホソバオキナゴケの特徴とは

はじめに、ホソバオキナゴケの特徴についてまとめてみました。

ホソバオキナゴケの見た目

ホソバオキナゴケは、丸みを帯びて饅頭のような形状をしている苔です。

成長形態: 半球状の白緑色の塊を形成する。
茎の特徴: 長さは2〜3cmで、時に枝分かれする。
葉の配置: 葉は重なり合って密につき、乾燥しても形状を保持する。
葉の色: 乾燥すると白色が強くなる。
葉の形状: 卵形で、長さは3〜4cm、中肋がない。

別名「ホソバシガラゴケ」「ヤマゴケ」「マンジュウゴケ」と呼ばれていて、スギゴケやスナゴケと並んで、苔庭や寺院の景観を彩る重要な3種類の苔の一つとされています。

ホソバオキナゴケの分布

生息範囲は、日本では北海道から九州までで、国外では、朝鮮半島や中国を含む東南アジア地域に多く分布しています。
ホソバオキナゴケは、低地や山地の腐植土が豊富な地上や木の根元に生息しています。
特に苔寺で有名な京都の「西方寺」に多く使われていて、訪れる人に穏やかな時間を提供しています。
海岸近くの潮風が吹き抜けるような場所では、自生しません。

ホソバオキナゴケが好む日当たり

日照量

-solar radiation-
日照量

ホソバオキナゴケは、明るい半陰で、やや乾燥した涼しい場所での生育を好みます。
多くの苔は、乾燥すると葉が縮みますが、ホソバオキナゴケは乾燥しても形を維持するため、見た目が長期間にわたって変わらないという利点があります。
乾燥に強い点が、盆栽や苔テラリウムに好まれる理由の一つで、ミニチュアの動物のフィギュアと組み合わせて楽しんでいる方が多いようです。

ホソバオキナゴケの育て方

ホソバオキナゴケの育て方

ここからは、ホソバオキナゴケの育て方について解説していきます。

ホソバオキナゴケを育てるには通気が必要

ホソバオキナゴケは、杉の木の周りや、森の中で腐った木に生えることが多いので適度に湿った環境を好みますが、雨が直接当たる場所を好みません。
暑さに弱いため、涼しい場所での育成が理想的です。
適した環境は以下の通りです。
・苔庭
・苔玉
・苔テラリウム
・盆栽

絨毯のような見た目から、紅葉などの広葉樹ともよく合うので、苔庭や盆栽用として人気があります。
苔テラリウムとして育てる場合は、蓋がないタイプを選んでください。
コルク栓や蓋つきの容器内で育てると、色が抜けたり黒ずんだりといった原因になるので注意しましょう。

ホソバオキナゴケに適した土

ホソバオキナゴケに適した土は、水はけと保水性のバランスが取れているものです。
・市販の苔用培養土
・赤玉土小粒や鹿沼土小粒を混ぜ合わせた用土
・川砂
・ケト土と赤玉土を7:3の比率で混合した用土
・ピートモス、赤玉土、樹皮を用いた培養土を2:2:6の比率で混合した用土

苔庭に設置した後は、追加で目土を施す必要はありません。

ホソバオキナゴケを植え付ける時期

年間を通していつでも植えられますが、真夏の暑い時期は避けてください。

ホソバオキナゴケを使った庭作り

ホソバオキナゴケを使った庭づくり

ここからは、ホソバオキナゴケがどのような庭にむいているのか解説していきます。

日陰の庭に適している

ホソバオキナゴケは、日の光が直接当たらない環境を好みますので、以下のような場所がおすすめです。
・大きな木の下で自然な木陰がある場所
・建物の影や北向きのスペース
・日が当たらない玄関前のスペース
・坪庭
といった場所であれば、理想的でしょう。

成長速度が遅いので、ある程度大きく育った苗を選ぶことが大切です。
ハッピーモスでは、初心者でも庭作りが簡単な「苔マット」を取り扱っています。
苔庭作りも簡単で用土の上にマットを敷いていくだけ。
樹木の根元や石がある部分は、園芸ハサミで簡単にカットできます。

苔テラリウムで育てる場合

ホソバオキナゴケは、モフモフとした芝生のような見た目から「苔テラリウム」として用いられています。
育て方は以下の通りです。
1、 古い苔や汚れをピンセットで除去する
2、 土がついている場合は洗い流す
3、 約2cm程度の用土を用意する
4、 苔を小さくちぎって植える(ハサミでカットする)
5、 設置後は、霧吹きで軽く湿らせる

ハッピーモスでは、初めての人でも簡単に楽しめる「苔テラリウムの苔」を取り扱っています。
苔テラリウムで育てる場合も簡単ですので、ぜひ試してみてください。

ホソバオキナゴケの水やり頻度

ホソバオキナゴケの水やり頻度

ここからは、ホソバオキナゴケの水やり頻度について解説していきます。

水は控えめに与える

水分を多めに与えると、他の強い種類の苔が発生する可能性があります。
発生すると扱いに困る苔は以下の通りです。
・ゼニゴケ
・タチゴケ
特にゼニゴケは、最も扱いに困る苔の一つとされています。
ゼニゴケは、日陰の多い場所を好み、成長速度も速いため、気がついたら広がってしまうことも。
見た目が悪いだけでなく、苔が育つと高さが出てきて、虫やミミズ、ナメクジの隠れ家にもなりがちです。
地面に密着して成長するため、発生すると取り除くのが困難な苔ですので、水やりは控えめにしましょう。

テラリウムで育てている場合の水やり頻度

ホソバオキナゴケの場合は、葉が白くなり、触るとカサカサとしてきたら、水やりのサイン。
水分をたっぷり含んでいるときは鮮やかな緑色をしていますが、乾燥すると葉が収縮し、白っぽくなってきます。
水を与えることで元の緑色に戻りますので、土が均一に湿るように水を与えるといいでしょう。
何カ月も水がなくても平気ですので、苔が乾いたなと思ったら、しっかり水をあげるのがコツです。

ホソバオキナゴケが茶色になる理由

ホソバオキナゴケが茶色になる理由

ホソバオキナゴケを育てていると「茶色になってしまい困った」という声もあります。
なぜ茶色く変色してしまうのか原因をまとめてみました。

乾燥が進みすぎている

乾燥した環境に長時間さらされると、苔がストレスを受けて茶色く変色することがあります。
同じように水をあげても色が戻らず白いままの場合は、苔が枯れている可能性が考えられます。
・水を与えても葉が白いまま戻らない
・パサパサで茶色く変色している
上記の状況が長く続くようでしたら、乾燥によるダメージの可能性があります。

水を与えすぎている

苔テラリウムで育てている場合ですが、長時間、水を与えていると苔が腐り茶色く変色することがあります。
水を多く入れすぎたときは、スポイトを使って余分な水を吸い取ると良いでしょう。
苔が黒っぽく見えるときは、水やりが多すぎるサインです。

直射日光が当たりすぎている

強い日差しの下で生育すると、苔が日焼けして茶色くなることがあります。
乾燥している環境を好みますが、夏の暑さには注意が必要です。
できるだけ半日陰の環境で育てるといいでしょう。

まとめ

今回は、ホソバオキナゴケの増やし方や育て方・茶色くなった場合の対処法について解説してきました。
初心者でも育てやすいので、苔庭だけではなく、苔テラリウムとしても人気があります。
ホソバオキナゴケの育て方はとても簡単です。
日が強すぎない涼しい場所を選んで、土が乾いたら水をしっかりあげるだけでOK。
苔を育てたことがない方でも大丈夫です。あまり神経質になりすぎないように、育ててみてください。
モフモフとした芝生のような苔から、忙しい毎日を忘れさせてくれる「いやし」を得ることができますよ。