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ウマスギゴケ

スギゴケ科|学名:Dicranodontium denudatum (Brid.) Britt.
ウマスギゴケ
ウマスギゴケ

スギゴケは、苔盆栽として屋外で育てるのに適している苔とあって自宅の庭園に取り入れたいと思う方も多いのではないでしょうか。
スギゴケは石組みとの相性も良く、庭作りにおいても人気の高い苔の一種です。
スギゴケをこれから育てる上で、種類、水分管理、土壌選び、光線の量、温度などを知りたい方もいるでしょう。
そこで今回は、ハッピーモスで取り扱っているスギゴケ(ウマスギゴケ)の好む場所や土の選び方、水やりの方法などを詳しく説明します。

スギゴケ(ウマスギゴケ)の特徴とは

スギゴケ(ウマスギゴケ)の特徴とは

まずスギゴケの特徴について詳しく解説していきます。

スギゴケは2種類がよく使われている

スギゴケは「オオスギゴケ」と「ウマスギゴケ」の2種類が苔庭でよく使われています。

「オオスギゴケ」

  • 先端が反り返ったような見た目で背が高く大きい
  • 成長すると重さに耐えられず倒れることがある
  • 先端は緑色で下の方になるにつれて茶色になる

「ウマスギゴケ」

  • オオスギゴケよりも一回り小さい
  • 自分の重さで倒れ込むことはない
  • 茎の下のほうは茶色で緑色の先端は真っ直ぐ育つ

ウマスギゴケとオオスギゴケは、基本的な性質が似ているため、一見すると外見上の違いを識別するのが難しい苔。
ハッピーモスが取り扱っているのは、自分の重さで倒れることがない「ウマスギゴケ」です。

スギゴケ(ウマスギゴケ)の見た目

茎の特徴: 長さは10〜20cmで、針金のように硬く、枝分かれしない。
葉の特徴: 茎の中央から上部に多く付き、長さは約1cm、放射状に配置される。葉の縁には小さい葉がある。
胞子体: 5〜7cmの長さの柄を持つ。

スギゴケ(ウマスギゴケ)の分布

分布

日陰で湿った場所に群生していますが、高地の湿原では日当たりの良い場所に大群落を形成しています。

スギゴケ(ウマスギゴケ)が好む日当たり

分布

他の苔に比べて、質感が硬くしっかりしているのが特徴です。スギゴケ(ウマスギゴケ)が元気に育つためには、光をたっぷりと浴びることが大切です。

スギゴケ(ウマスギゴケ)の用途

スギゴケは、苔庭、プランター、盆栽、など屋外環境での栽培に適した苔です。
苔テラリウムとして室内で育てることも可能ですが、明るい場所を好むため、朝日が当たる場所でオープン型の容器で育てると良いでしょう。苔を石に着生させて楽しむ方法もあります。

スギゴケ(ウマスギゴケ)の育て方

スギゴケ(ウマスギゴケ)の育て方

ここでは、スギゴケの育て方として、適した土や植え付けの時期を解説していきます。

スギゴケに適した土

スギゴケは、川辺、山の斜面、木の根元、岩壁など多様な環境に適応できる苔。
光、水、そして養分があれば、石やコンクリートの上でも成長します。
表面に細かなくぼみや、ざらざらとした凹凸がある石は、根を張りやすいため、苔を育てるのに適しているでしょう。

  • 川砂
  • 赤土
  • 黒土や黒ボク土
  • 山土
  • ケト土
  • 樹皮培養土
  • 一般的な苔の土(ケト土:赤玉土=7:3の比率)

スギゴケのような大型のコケは、林の腐葉土質でよく見られるため、黒土を多めに使うのが一般的です。また、軽石のような多孔質で保水性と通気性のある材料も、大型の苔に適しています。

植え付ける時期

真夏の暑い季節を除いて、1年を通じて植え付けは可能です。

スギゴケ(ウマスギゴケ)を使った庭作り

スギゴケ(ウマスギゴケ)を使った庭作り

苔庭作りでは、庭に苔マットを敷く方法や、石との組み合わせが非常に良くマッチします。
ここでは2種類の楽しみ方を紹介していきます。

苔マットを敷く方法

初心者の方は、マット状になった苔を土ごと庭に植え付ける方法がおすすめです。
施工後は一時的に変色することがありますが、定着すると元の色に戻ります。

苔の施工手順は以下の通りです。

① 水はけの良い土壌を準備する
水溜まりができないように地面を整え、水の流れや勾配を考慮して水はけの良い土壌を作る。
② マットの必要枚数を事前に計算する
ハッピーモスの苔マットを使う場合、1平米につき8枚が必要です。
③ 苔マットを設置する
苔マットをトレイから取り出し、一枚ずつ丁寧に貼り付けていきます。
④ 目土をかける
最後に目土をかけて、苔庭の緑化を完成させます。

石に着生させる方法

スギゴケを石に着生させて楽しむ方法もあります。一見すると難しそうに見えますが、意外と簡単ですのでチャレンジしてみてください。

(準備するもの)

  • 庭石(凸凹した石がベスト)
  • モビロンバンド(伸縮性のあるバンド)
  • ピンセット

苔を石に植え付ける手順は以下の通りです。

① 石を湿らせる
苔が定着しやすくするため、あらかじめ石を湿らせておきましょう。
② 苔をほぐす
苔の株を1株ごとにほぐします。
③ 苔を配置する
ほぐした苔を1株ずつ庭石の上に置きます。成長した苔の見た目を考慮して、バランス良く配置してください。
④ モビロンバンドで固定する
苔が簡単に取れないように、モビロンバンドを使って庭石と苔をしっかりと密着させます。茎が浮く場合は、苔全体が密着するようにバンドを追加してください。
⑤ 定期的に水を与える
苔の配置が完了したら、1カ月間は適度に水をあげて管理します。期間中に芽が生えてくるはずです。

スギゴケ(ウマスギゴケ)の管理方法と注意点

スギゴケ(ウマスギゴケ)の管理方法と注意点

ここからは、スギゴケ(ウマスギゴケ)の施工後の注意点を解説していきます。

日当たりの管理

スギゴケは太陽光に比較的強い苔ですが、施工したばかりは注意してください。
施工後は、施工後に環境に馴染むまでは、寒冷紗などで日よけをすると良いでしょう。

※寒冷紗とは
通常綿や麻などの天然素材で粗く織られた薄手の布で、のりで硬化させて仕上げられています。近年では、耐久性に優れた合成繊維やポリエステルの糸を使用したものもあります。網目状の構造をしているため、通気性の良さが特徴です。水を透過させる能力もあり、寒冷紗をかけたままでも苔に水やりが可能です。

水やりのタイミング

常に湿った土壌を好まないため、土壌が乾燥し始め、葉が閉じる兆候を見せたら水やりを行うのがおすすめです。
水やりは苔の種類によって異なりますが、スギゴケの場合は土壌が乾いた状態を保つことで、適切な水分バランスを維持できます。

徒長の防止

徒長とは、植物が過度に長く伸びること。
徒長を防ぐためには、定期的に苔の表面を圧縮することが効果的です。
やり方はいたって簡単。平らな靴底を使用して苔を軽く踏むと良いでしょう。

冬季の特別なケア

冬季には霜柱などによって、ウマスギゴケが土壌から剥離することがあります。
気温が暖かくなるころ、剥離した苔を土壌にしっかりと押し付けて密着させてください。
密着させることで、春に向けて元気に成長するための良い状態を保てます。

まとめ

今回はスギゴケ(ウマスギゴケ)の育て方について解説してきました。
スギゴケは、苔庭や盆栽、プランターなど屋外での栽培に最適な苔です。
ウマスギゴケとオオスギゴケの両種類があり、それぞれに魅力がありますが、ウマスギゴケは特に手入れがしやすく、庭石やコンクリートの上でも育てやすい点が特徴です。
スギゴケを美しく育てるためのポイントは、適切な土壌の選択、水やりのタイミング、日当たりなどが挙げられます。
冬季のケアや徒長の防止策も忘れずに行いましょう。
また、苔マットを用いた簡単な施工方法や、石に苔を着生させるテクニックもあり、初心者でも簡単にチャレンジできます。
今回の内容を参考にして、あなたの庭やベランダにスギゴケを取り入れてみてはいかがでしょうか。
自然の緑の美しさを身近に感じられる苔庭は、毎日の生活に癒しと落ち着きをもたらしてくれることでしょう。